こんにちは、六代目です。
この、「組香」体験会に参加してきましたシリーズも3回目となりました。
思いのほか長くなってしまいましたが、最後のまとめです。
今回の体験会では残念ながら正解した人が1人もいませんでした。
でも、それはそれで全員で楽しめました!
これは素晴らしい経験でした。
お香や歴史、文学に関する知識に触れられるだけでなく、
年齢や職業の違いなどから、
普段ならあまり接することのない人たちとの出会いと一体感を感じることができました。
これまで長く書いてきましたが、実はいくつか説明を省いた部分がありあります。
面倒くさがったわけではありませんよ!
今の自分には知識が足りず、書いたとしてもコピペのような記事になってしまうと思ったからです。
例えば、使うお香に振り分けられる順番が題材になっている句に対応しているところ。
聞き分ける「アヤメ」は植物のアヤメの香りというわけではない。
などなど、いくつも自分の言葉・知識で説明できない所があります。
そんな六代目でも楽しめたんです。
これってすごいことですよね。
その世界のことを知らなくても、入っていけるんです。
と同時に知れば知るほど楽しみ方も広がります。
時代背景や、和歌の知識。
もちろんそれぞれの香に関する知識。
そういったものがあれば、より一層楽しめると思います。
でも、初心者とも一緒に楽しめる、すごくバランスのいい遊びだと思います。
この記事を読んでくださっているあなたも、興味がありましたら是非一歩踏み出してみてください。
僕が教えることはできませんが、道具なら宮川紙店で揃えることができますよ!笑
香炉やお香だけでなく、銀葉など細かいものもありますので、
いつでもご相談ください!
それでは最後になりましたが、
今回の「菖蒲香」の元になった源頼政と菖蒲前、そして鳥羽院の物語の結末を書いて終わりたいと思います。
頼政は、鳥羽院の試しに接して初めて、菖蒲前が鳥羽院の女房であったと分かります。
「どうして院のご寵愛の女性を申し出ることができようか」
と恐れおののきます。
さらに選んだとしても、間違えるわけにはいきません。
深く考え込んでしまった頼政はその心情を和歌にしたためます。
『五月雨に 沼の石垣 水こえて 何れあやめと 引きぞわづらふ』
この句に大いに感銘を受けた鳥羽院は、自ら菖蒲前の手を取り、頼政に授けられたといいます。
『源平盛衰記』より
当時の感覚と現代の倫理観を並べて論ずることはできませんが、
なかなか剛毅な鳥羽院の締めくくりですね。
何はともあれ、2人は見事一緒になれたわけです。
でも菖蒲前はそれで良かったのかな~。
このあたり、勉強してみたいと思います!